「パートナーと組む」と一口に言っても、契約の形によって必要な準備も報酬設計もまったく違います。自社のフェーズに合わない型を選ぶと、負担ばかり増えて成果が出ません。本記事では代表的な4つの型を比較し、選び方の基準を示します。
販売パートナーの4つの型
| 型 | 誰が売るか | 誰と契約するか | 報酬の形 |
|---|---|---|---|
| 紹介(レファラル) | 自社 | 自社と顧客 | 紹介料(一時金が中心) |
| 取次 | 両者で分担 | 自社と顧客 | 手数料(継続的な場合も) |
| リセール(再販) | パートナー | パートナーと顧客 | 卸値との差額 |
| OEM・共同提供 | パートナー | パートナーと顧客 | ライセンス料など |
下に行くほどパートナーの裁量と責任が大きくなり、自社の手離れが良くなります。同時に、価格や顧客体験のコントロールは効かなくなります。
それぞれの特徴と向くフェーズ
紹介:最も始めやすいが、積み上がらない
顧客を紹介してもらい、商談以降は自社が行う形です。パートナー側の負担が軽いため提携のハードルが最も低いのが利点です。
一方で、紹介する動機が弱いと件数が伸びません。一時金だけの設計にすると、最初の数件で止まりがちです。立ち上げ期に、まず接点をつくる型と位置づけてください。
取次:バランスは良いが、役割分担が曖昧になりやすい
初回の説明までをパートナーが担い、クロージングを自社が行う形です。紹介より踏み込んでもらえるぶん成約率は上がりますが、どこまでを誰がやるのかを明文化しないと必ず揉めます。
リセール:スケールするが、準備が要る
パートナーが自社名義で販売します。売上が一気に伸びる可能性がある反面、次のものが揃っていないと機能しません。
- パートナー向けの卸価格体系
- パートナーが単独で売れる資料と研修
- サポート範囲の線引き(一次対応は誰か)
自社の営業が確立していない段階でリセールに進むと、品質が崩れます。紹介や取次で勝ちパターンを確認してから移行するのが安全です。
OEM・共同提供:深いが、相手を選ぶ
パートナーのサービスに組み込まれる形です。単価も継続性も高くなりますが、開発対応や個別要件が発生します。相手の事業計画に組み込まれる規模の提携なので、候補は限られます。
複数の型を同時に走らせない
「紹介もリセールもOEMも」と並行して進める企業は少なくありませんが、それぞれ必要な資料も価格体系も違います。立ち上げ期は1つの型に絞ってください。型を増やすのは、最初の型で再現性が確認できてからです。
自社に合う型の選び方
次の3つで判断できます。
- 自社の営業が確立しているか — していなければ紹介か取次から。確立していればリセールも選択肢に入ります
- 顧客対応を任せられるか — 導入時の設定支援や問い合わせ対応をパートナーに委ねられるかどうか
- 価格を守る必要があるか — 値引き競争を避けたい商材は、リセールより取次が向きます
迷う場合は紹介から始めて、成果の出たパートナーだけをリセールに引き上げるという段階設計が最も失敗しにくい進め方です。
報酬設計の考え方
型によって、報酬の考え方も変わります。
- 紹介:初回売上の10〜20%程度の一時金が目安
- 取次:一時金+継続報酬の組み合わせ
- リセール:卸値を定価の70〜85%程度に設定し、差額をパートナーの利益とする
いずれの場合も、相手の主力商材より利益が小さいと優先順位が上がりません。料率だけでなく、1件あたりいくら残るのかで比較してください。
まとめ
販売パートナーの型は、紹介・取次・リセール・OEMの4つ。下に行くほど手離れが良くなる反面、準備とコントロールの難易度が上がります。自社の営業が確立しているかどうかが、最初の分岐点です。
型を決めたあとの制度設計については代理店制度の作り方、契約面については代理店契約書の作り方をご覧ください。株式会社AIBOUでは、型の選定から実働までをパートナーセールス構築支援「AIBOU」として支援しています。